剧情介绍
トゥバ族 心の原風景 ~歌と馬と共にある日々~
<1>心の原風景
アルタイ山脈。裾野の森は朝霧に包まれている。やがて万年雪の峰々が、朝日に輝く。
霧の彼方に、空と雲を映したコバルトブルーの湖、森の中を光りながら流れる河、水辺の草原を駆けまわる馬の群、煙立ちのぼる丸太の家々が、あらわれる。
新緑の季節。鳥のさえずりと共に、そよ風が森の薫りを運んでくる。
春だ。遊牧民のトゥバ族は、馬にまたがり、牛、羊、馬を追う。夏の牧草地へと、山を越え、河を渡り一斉に動き出す。草原と森の中、移動を繰り返す。
一つの草地で一定期間留まり、家畜が草の新芽を食み終わると、次の草地へと移動する。その間に、前の牧草地が回復する。限られた資源を持続させるサイクルである。これが、遊牧民昔ながらのエコの知恵だ。
トゥバ族には、河川、湖、泉などの水を汚してはいけないという伝統があり、子供の頃からその教育は徹底している。例えば小さな渓流であっても、馬に乗って或は歩いて渡る時に「私の無礼を許してください、ありがとうございます」と水に祈る。トゥバ族の長老の一人が、そう語った。
トゥバ族の人々を取材している間、特には感じたのは、日々の生活の中で、彼らは故郷の自然をまるで宝石のように大切に扱っている事だった。それは一輪の花、一本の草から森、山水までが、まつる対象になっている。
馬に乗って疾走する人々、じゃれ合う馬の群れ。馬は、よく目にする光景だ。トゥバは古来、名馬の里である。ホーミー、チョール(笛の一種類)の調べが、 集落から、原野の何処かから、風にのって伝わってくる。メルヘンのような美しい風景が今も残っている。歌と馬と共にある日々の暮らしが続く。
これこそ、トゥバ族の人たちの心の原風景ではないだろうか。
<2>遥かなるアルタイ
日本からアルタイまではおよそ4000km。体感距離は、それ以上に遠く感じた。
なぜだろう?そう自分に問うと、いくつか思い当たることがある。
翌朝出発の、北京発アルタイ行きの航空便。夜中、突然キャンセルになったという知らせを受ける。理由は、「量を制限するため」としか書いていない。やれやれ。これぐらいの事は日常茶飯事だと思い直す。
北京からアルタイまでは、直行便はなく、時には二度、乗り換える必要がある。途中トルファンとハーミーで乗り換える。
八月中旬、ハーミーもトルファンも40度の猛暑日。アルタイに着いたら夜は8度、ダウンを着ても寒い。
目的地のアルタイに着いたものの、取材相手の遊牧民は、森と草原を転々として、なかなか見つからない。幹線道路沿いに探しても遊牧民に出会うことはない。道無き道を進みながら探すほかは無い。雨が降ると車のタイヤが泥にはまり、進めない、戻るにも戻れない。何度も立ち往生。
せっかく遊牧民のテントにたどり着いても、その家の主人が、馬を探しに山に行っているという。携帯電話の電波が届かないため、どこにいるのか、いつ戻るのか全くつかめない。取材期間がどんどん過ぎていく。ここは都会とは全く異なる時間が流れている。焦っても仕方がない。どっしりと構える忍耐力が必要だ。
それでも、霧の中から浮かび上がる、アルタイの絶景を眺め、トゥバ族の民謡を聴きながら、自家製の牛乳酒を飲む。牛乳酒の味は、ミルクのほのかな甘みとチーズの微かな苦味の絶妙なバランス。
歌と酒には、その土地とそこに生きる人々の奥深いところに連れて行ってくれる、不思議な力がある。
自然の美と人の優しさに触れ、心が癒された。
番組を見た皆さんと、そこで感じた癒やしの時間を、分かち合えたら幸いである。
<1>心の原風景
アルタイ山脈。裾野の森は朝霧に包まれている。やがて万年雪の峰々が、朝日に輝く。
霧の彼方に、空と雲を映したコバルトブルーの湖、森の中を光りながら流れる河、水辺の草原を駆けまわる馬の群、煙立ちのぼる丸太の家々が、あらわれる。
新緑の季節。鳥のさえずりと共に、そよ風が森の薫りを運んでくる。
春だ。遊牧民のトゥバ族は、馬にまたがり、牛、羊、馬を追う。夏の牧草地へと、山を越え、河を渡り一斉に動き出す。草原と森の中、移動を繰り返す。
一つの草地で一定期間留まり、家畜が草の新芽を食み終わると、次の草地へと移動する。その間に、前の牧草地が回復する。限られた資源を持続させるサイクルである。これが、遊牧民昔ながらのエコの知恵だ。
トゥバ族には、河川、湖、泉などの水を汚してはいけないという伝統があり、子供の頃からその教育は徹底している。例えば小さな渓流であっても、馬に乗って或は歩いて渡る時に「私の無礼を許してください、ありがとうございます」と水に祈る。トゥバ族の長老の一人が、そう語った。
トゥバ族の人々を取材している間、特には感じたのは、日々の生活の中で、彼らは故郷の自然をまるで宝石のように大切に扱っている事だった。それは一輪の花、一本の草から森、山水までが、まつる対象になっている。
馬に乗って疾走する人々、じゃれ合う馬の群れ。馬は、よく目にする光景だ。トゥバは古来、名馬の里である。ホーミー、チョール(笛の一種類)の調べが、 集落から、原野の何処かから、風にのって伝わってくる。メルヘンのような美しい風景が今も残っている。歌と馬と共にある日々の暮らしが続く。
これこそ、トゥバ族の人たちの心の原風景ではないだろうか。
<2>遥かなるアルタイ
日本からアルタイまではおよそ4000km。体感距離は、それ以上に遠く感じた。
なぜだろう?そう自分に問うと、いくつか思い当たることがある。
翌朝出発の、北京発アルタイ行きの航空便。夜中、突然キャンセルになったという知らせを受ける。理由は、「量を制限するため」としか書いていない。やれやれ。これぐらいの事は日常茶飯事だと思い直す。
北京からアルタイまでは、直行便はなく、時には二度、乗り換える必要がある。途中トルファンとハーミーで乗り換える。
八月中旬、ハーミーもトルファンも40度の猛暑日。アルタイに着いたら夜は8度、ダウンを着ても寒い。
目的地のアルタイに着いたものの、取材相手の遊牧民は、森と草原を転々として、なかなか見つからない。幹線道路沿いに探しても遊牧民に出会うことはない。道無き道を進みながら探すほかは無い。雨が降ると車のタイヤが泥にはまり、進めない、戻るにも戻れない。何度も立ち往生。
せっかく遊牧民のテントにたどり着いても、その家の主人が、馬を探しに山に行っているという。携帯電話の電波が届かないため、どこにいるのか、いつ戻るのか全くつかめない。取材期間がどんどん過ぎていく。ここは都会とは全く異なる時間が流れている。焦っても仕方がない。どっしりと構える忍耐力が必要だ。
それでも、霧の中から浮かび上がる、アルタイの絶景を眺め、トゥバ族の民謡を聴きながら、自家製の牛乳酒を飲む。牛乳酒の味は、ミルクのほのかな甘みとチーズの微かな苦味の絶妙なバランス。
歌と酒には、その土地とそこに生きる人々の奥深いところに連れて行ってくれる、不思議な力がある。
自然の美と人の優しさに触れ、心が癒された。
番組を見た皆さんと、そこで感じた癒やしの時間を、分かち合えたら幸いである。
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