淫暴の夜 繰り返す正夢

美月の背中には外科手術の痕と思しき大きく醜い傷痕がある。彼女の両親は、男女の肉体が複雑に捩れ同体癒着した、奇怪な肉の塊だった。存命の為の特注品?血液循環装置の支払いは、彼女に街金で借金させ、昼は町病院で事務、夜は場末の連れ出しスナックで働く二重苦を与えた。
　　勤務先の病院の院長?佐藤は、循環装置の仲介の代償に美月を愛人にしていた。ある日、佐藤の妻?ミカヨが不倫を嗅ぎつけ、家に乗り込に、指を詰めての謝罪を要求。恐怖に固まる美月を押さえ込み、剪定鋏で小指を切断した。
　　佐藤との関係が終わり、病院をクビになった美月。そんな中、美月の債権は街金からヤクザ?髙橋の管理下であるヤミ金に譲渡され、髙橋は高校時代の先輩?吉川に借金回収を任せるのだった。
　　美月の自宅を訪ねた吉川は、出迎えた彼女の顔が、死んだユリ子と瓜二つである事に驚愕する。髙橋によってフジコが経営するスナックと地下SMクラブで働かされている美月は、やつれた顔で全身傷だらけだった。
　　数日後。吉川は髙橋と共に美月の働くSMクラブを訪れた。そこでは女王様のフジコが吊された美月を激しくいたぶる光景があった。吉川は髙橋に美月を解放するよう訴えるが、冷徹な彼の態度に嫌気が差し、ヤミ金の仕事を辞退する。その後吉川は彼女の両親と初めて対面する…。